定期借家データベース

Ⅰ.空室対策に有効

オフシーズン期の空室は家賃を下げ、繁忙期前までの短期で貸す。

5月になっても空いていたサブリース物件(単身向け)の家賃を5千~8千円減額し、翌年2月末までの短期契約で募集。3月以降も入居する場合は相場通りの家賃でなら再契約できる(敷金は変更なし)旨を事前に説明した。結果、20戸中6戸が成約した。再契約できる旨を11月末に改めて伝えたところ3名は相場通りの家賃で再契約し、退去者3名のうち2名には転居先の物件を紹介できた。

空室の目立つ物件で家賃・敷金等の合計額を半分に設定し、翌年2月末までの短期で貸した。3月からは通常家賃に戻す旨を説明すると、家主はこの貸し方を了解してくれた。広告の反響が月に50件程度あり、半額にした10戸は1ヶ月余りで成約。契約期間が満了した時点で再契約が5件。残り5戸は空いてしまったが、繁忙期であるため満室にできた。

家賃値下げの大義名分として定期借家に。

企業の撤退により単身者用2棟60戸の空室が一度に発生。郊外で成約の難しい地域だが、家主は賃料減額の提案に応じてくれない。近所に同じような物件を持っており、そこの入居者から「私の家賃も下げてほしい」と言われることを恐れたため。そこで、1棟30戸を普通借家、もう1棟30戸を定期借家とし、後者の家賃については定期借家を理由に5千円減額(1割減)することを家主に提案した。
結果、定期借家の方が速いペースで成約が進み、先に満室になった。単身者向けということもあり、定期借家に対する入居者の抵抗感はまったく見られなかった。それよりも家賃が5千円安いことが喜ばれた。

滞納者にも安心して貸せる。

家賃を4ヶ月滞納していた入居者と調停の結果、「1ヶ月以内に退去する。滞納している家賃は分割で返済する」との内容で和解した。しかし、どこかに転居した後で確実に返済してもらえる保証はない。そこで、あえて家賃の安い自社管理物件に入居してもらった。以前の住まいより家賃が4万円安く、敷金・礼金ゼロ。その代わり3ヶ月間の定期借家契約(再契約型)とした。今のところ滞納はなく返済も順調である。